Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「好きな人の前では可愛くありたいって気持ちは分かるけど、
けどそれ以上にもっとやらなきゃいけないことがなんかあるんじゃねーの?」
それ以上に……?
やらなきゃ、いけないこと……
「お前は斉木と違って自分がちんちくりんのせいで西崎さんと釣り合いがとれないって言ってるけど、じゃあ聞くけど西崎さんってどういう人間だ? スタイル抜群で顔も美人で胸がデカイ女が好み。そうやって全部見た目で判断する人間か?」
「!」
「そうじゃないだろ?」
ハッと息をのんだあたしを、福嶋くんは鋭い目で真っすぐ射抜く。
「…何年西崎さんのこと見てきてんだよ」
「……」
イライラしたようにそう吐き捨てられ、あたしは何も言えなくなってうつむいてしまう。
……福嶋くんの言うとおりだ。
あたし…
今日まで西崎さんの何を見てきたんだろう。
西崎さんは、けっして人を見た目で判断しない人。
外見よりも何よりもきちんと内面を見てくれる人。
それなのに…
あたしは見た目にばかり気を遣っていた。
釣り合いばかり気にしていた。
年相応に見られない自分の幼い見た目がコンプレックスで仕方なかった。
西崎さんの隣に並ぶことができるのは、それなりに見栄えのいい女性だと勝手に決めつけていた。