Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
綾乃≫≫≫俺が女にしてやる
綾乃≫≫≫俺が女にしてやる
西崎さんから弁解の電話をわざわざもらえたことは天にも昇る心地だったけど。
だけど、同じように斉木さんにも、あたしがあの場にいたことを弁解したかもと思ったら、夢心地でひどくフワフワしていたそれまでの気分が一転、急激に落ち込んでいった。
あたしも、斉木さんと、スタートラインは一緒じゃないけどきっと同じ扱いだ。
西崎さんにとってあたしは、斉木さん同様、ただの部下。
それ以上でもそれ以下でもない。
西崎さんの中で特別な存在になれるのは、
きっと世界中どこを探しても優花さん以外にいないのだから――…
……そうだよね。
どうあったってあたしは、あたしなんだ。
福嶋くんの言う通り、どんなに自分らしく生きたって。
どんなに努力して自分を磨いたって。
あたしはあたし以外にはなれない。
あたしは、優花さんにはなれないんだ。
西崎さんの“特別な存在”には永遠になれないんだ――。
現実を思い知らされて胸が苦しくなる。
最後はいつものように事務的な挨拶を交わして電話を切った。
その瞬間。
くらり、
突然目の前が真っ暗になって軽く目眩がした。