Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「――着いたぞ。降りろ」
有無を言わせない命令口調の福嶋くんに従ってこわごわ車を降りる。
着いた先はフツーの2階建てアパートだった。
「誰んち?」
無言でアパートの階段をあがる福嶋くんに引っ張られながらたずねる。
福嶋くんはあたしの質問を無視しながら2階の角部屋の前に立った。
「ねぇ誰んちなの?」
もう一度聞くと福嶋くんは鍵穴に鍵をさしながらさらりと言った。
「俺んち」
「――は!?」
思いきり目を剥いたあたしは、そのまま福嶋くんが開けたドアの向こうに強引に押し込まれた。
そして――…
「今日は帰さねーから」
…はい?
「――俺がおまえを女にしてやるよ」
…ぇ…?
一瞬耳を疑うような発言を福嶋くんの口から聞いた、その直後…
ガチャリ…
ドアに鍵をかけた金属音が無情にも耳に届いた。