Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「……福嶋…くん?」
電気もついていない真っ暗闇の玄関で見つめ合う。
「…ぇ…いま何て…?」
何て言ったの…?
思考がストップしていて何も考えられないし何も思い出せない。
すると、
「脱げよ」
「へっ?」
ぬぬぬ脱げ?
「靴」
「靴っ?」
あっ…靴…そっか靴のことか!
ここ日本だもんね!
靴履いたまま部屋にあがるなんてまさに欧米か!
…って何年前の流行語持ち出してんの、あたし。
半ばテンパりながらまごついてると、ふいに脇に福嶋くんの腕がすっと入り込んでくる。
引っ張りあげられるとすんなり靴が脱げた。
そのまま奥の部屋へと引っ張られて、暗闇に慣れた瞳が窓辺にあったベッドをとらえた。
――俺がおまえを女にしてやるよ。
ここに来てようやく玄関で言われた言葉の意味に思い至った。
まままままさか福嶋くん、ココであたしを――?
ゴトンっ
福嶋くんは来る途中コンビニで買った荷物をテーブルの上に置くと、急にあたしから手を離した。
「…ひゃあっ(>_<)」
投げ飛ばされるようにしてベッドに座らされる。