Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「……村瀬は…電話に出れないのか?」
…何だろう?
妙に胸がざわつく。
『あー…アイツなら疲れて寝てますけど。つか俺も疲れてんスよね。…久々だったし』
…久々?
あくび混じりに話す福嶋。
村瀬が寝てる…?
疲れて…?
福嶋の部屋で…?
「…どういうことだ?」
『どういうってそんな野暮なこと聞きます?』
福嶋の話し方が癪にさわる。
『まぁ柏田さんならこーゆーハナシ大好物でしょうけど、まさか西崎さんまで――…』
ふと…福嶋の声が遠くなる。
『そんなに気になるなら――』
話が全然耳に入ってこない。
何で村瀬と福嶋が…?
だってついさっきまで村瀬は…俺が触れただけでも気を失っていたのに…
あんなに純粋で、ちょっとからかっただけで顔を赤くしていたのに…
それなのに…
『――聞いてます? 西崎さん』
「…………福嶋」
自分でも驚くほど腹の底から低い声をだした。
それまでヘラヘラしていた福嶋が急に黙る。
村瀬と福嶋がいつどうやってそんな関係になったのか知らない。
村瀬が選んだ相手だ。
文句など言わない。
でもそのかわり…
「………村瀬を泣かせたら許さないからな」