Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
フッ…と電話の向こうで福嶋が鼻で笑った。
「…何が可笑しい?」
『いや……村瀬を泣かせてるのって俺じゃなく西崎さんのほうなのにな…って』
「…? 俺のほう…?」
どういう、ことだ…?
『まぁ俺も飽きたらすぐ捨てるタチなんで。あんま人のことは言えませんけどね。西崎さんも知ってますよね? 俺の女性遍歴』
「……」
『だから泣かせるな、って言われても正直困るんですよね。先のことなんか分からないし』
「おまえ…」
電話の向こうで福嶋がわずらわしげにため息をつく。
『つかそんなに村瀬のことが心配なら西崎さんが面倒みたらいいじゃないですか? 俺は一向に構いませんよ? 西崎さんに村瀬譲るの。欲しけりゃどーぞ、ご自由に』
「福嶋」
『はぁ…正直面倒なんすよね。仕事だけじゃなくプライベートでも村瀬のお守りすんの』
「福嶋」
『ああ…俺のお下がりとか気分悪いっすか?』
「福嶋いい加減にしろ!!」