Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
つい大きな声を出してしまった。
ふだん見せたことのない剣幕に菜月が驚いている。
それは電話の向こうの福嶋も同じだった。
『…すげ…西崎さんに怒鳴られた』
反省の色もなしに福嶋が感心したようにつぶやく。
「…福嶋、おまえん家どこだ?」
『え…?』
「村瀬迎えに行く」
『…は? 本気で言ってるんすか?』
「当たり前だ」
『冗談やめてくださいよ。何時だと思ってんすか』
「冗談なんかじゃない!」
『…つか何さっきから熱くなってんすか? らしくない』
…らしくない?
熱くなってる?
俺が…?
『…西崎さん、もしかして村瀬のこと好きだったりするんすか?』
「何だと…?」
『だからそんなにムキになってんすか?』
ムキに…?
「……」
……俺が……村瀬のこと……?