Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
『先輩って怒ることあるんすか?』
『えー何? 急に。普通にあるよー』
『あるんだ?』
『あるよー。例えばお風呂上がりに食べようと思ってたアイスを弟に勝手に食べられちゃった時なんか、もう手がつけられないほど怒り狂っちゃうんだから』
『ぶっ…小っちぇ』
『何よっ…これフツーでしょ?』
『いやいや大人げないってマジで(笑) 姉貴なんだからさ(笑)』
『あ、笑った』
腹を抱えて笑ったらユリカの目がきらりと光る。
『笑ったらいけないんすか?』
『ううん! どんどん笑って!』
どんどん笑って、って…
『やっぱり福嶋くんは笑ってたほうが素敵だね』
眩しそうに目を細めて俺を見るユリカに、トクントクンと胸が優しく波打つ。
…その日から、校内でユリカを見かけると自然と目で追いかけるようになっていた。