Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



ユリカの口からはっきりと婚約者はいないと聞かされたとき、なぜだか分からないけど言いようのない嬉しさが込み上げてきたのと同時にホッと安堵した。



それ以来、俺たちは一層親しくなっていった。



別に付き合ってるわけではないのに校内では気づくと2人きりでいる時間が多くなった。



ユリカと並んで歩いているとすれ違う女子たちが皆うっとりとした表情になる。



『先輩って同性にも人気ですよね?』



『何で?』



『いや、女子の視線が羨望の眼差しっつーかなんつーか』



『ああ、あれ? 私じゃなくて福嶋くんを見てるんだよ!』



『俺?』



ユリカの言葉に目が点になる。





ユリカの話によると俺も入学当初からちょっとした噂になっていたらしい。



『今度入ってきた1年生にレベルが桁違いな男の子がいる』



『あの容姿で頭脳明晰ってありえない』



『クールで無愛想だけどそれがまたいい』





…何だそれ。



マジでくだらないし。



だから入学して間もないのにユリカや上級生に名前が知られていたんだな。





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