Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
『俺は君の才能を買っていた』
『あたしの…才能?』
『君の名刺をもらったとき、こんな偶然があるのか正直驚いたって言っただろ? あれはもう1つ意味があってね』
『もう1つの…意味?』
『君の顔を最初見たとき「どこかで見たことあるな」って思ってたんだけど、名刺をもらって村瀬綾乃って名前を見た瞬間、思い出したんだ。君は覚えてないかな? 俺が以前、君に会ったときに言ったこと』
小早川さんが以前、あたしに言ったこと?
思い当たる節も、小早川さんと以前に会った記憶もなく首を傾げていたあたしを、あの野性的な鋭い眼差しで射抜く小早川さん。
まるで獲物を狙うハイエナのような瞳にひとたび見つめられると、全身が凍りついたかのように固まってしまう。
その瞬間、ゾクリと背筋を伝った電流は、
小早川さんとの最初の出会いを鮮明に思い出させた――