Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
『…君の作品を見るまでの俺は、仕事にさっぱり意欲が湧かなくて、何も創造する気が起きなくてね、毎日ここで酒を煽る堕落した日々を送っていた』
事務所をたたむ寸前までどん底を味わっていた小早川さん。
そんな小早川さんを見兼ねてコンテストの授賞式にムリヤリ引っ張ってきたのが大学時代の友人なんだそうだ。
『…共通の友人だった。優花と』
だから痛みも悲しみも、辛さも苦しみもぜんぶ分かち合えた。
そして…
優花さんのことでとことん堕ちていた小早川さんを心配した友人は、優花さんと感性が似ているあたしに小早川さんを一目会わせたかったらしい。
小早川さんが、ほんのちょっとでも前に進むことができたら……そう願って。