Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
―――…
「……」
瞳から涙があふれた感覚にふと目を覚ました。
まだ夢の続きを見ているかのように胸がぎゅっと締めつけられる。
深く息を吸い込んでまた目を閉じた。
『西崎慧吾は……今も変わらず……優花を愛している――』
あれからずっと小早川さんの言葉が胸に突き刺さったままとれないでいる。
西崎さんは今も変わらず優花さんを…………愛している。
「……っ…」
どんなにあたしが想ってもけっして報われることはない。
あたしは優花さんを越えられないし、西崎さんに優花さん以上に愛される自信もない。
目の前に立ちはだかる壁はとてつもなく高くて、突きつけられた現実に立ち向かう勇気すら湧き起こらない。
どうして初めての恋はこんなにも辛くて苦しいものなんだろう。
『君には、西崎慧吾のために犠牲にしてきたものがあるだろう?』
あたしは、こんな辛い恋をするために西崎さんのそばにいることを選んだの?
あたしは、けっして報われない恋のために夢をあきらめたの?
あたしが西崎さんと過ごした時間は本当に無駄だったの?
……わかんないよ。
もう何が何だか…全然わかんない…