Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完



「そう。だからこの欄に書く会社の数は極力少ないほうがいい。

そして自分がこの欄に書いた会社に勤めて、何か得るものがあったとか人間的に成長できたとか、そういう思い入れのあった、誇りの持てた会社に勤めていたということをアピールしないと、次に面接を受けた会社の人事の人はキミを是が非でも雇いたいとはまず思わないよ?」





西崎さんはあたしの履歴書を伏し目がちに眺めながら声を低めて言う。





「この履歴書を見るかぎり、キミには根性もプライドも向上心もまるでないんだって一目瞭然でわかる」





僕はね、と低い声で続けながら西崎さんはあたしの履歴書を見るに耐えなくなったのか自分のファイルに綴じ込むと、厳しい眼差しでじっとあたしを見据えた。





「たとえアルバイトでも結婚前の腰掛けでも、そういうスタンスの低いコとはいっしょに仕事したくないって思ってる」





西崎さんはさらに声を低めて無表情で冷たく言い放った。










「悪く言えば、雇いたくない」










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