Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
ほんと…どこまで自分に甘かったんだろ、あたし…
情けなくなってくる…
じわっとまた涙が浮かんできて慌てて人差し指で拭うと、目の前にティッシュの箱がさりげなく置かれた。
はっと顔をあげると西崎さんが弱ったように頭を掻いていた。
「…ごめん。泣かせるつもりはなかったんだけど、…ちょっとキツイこと言ったよな?」
「いえ、そんな…」
あたしは慌てて否定するように首を振って、
「すごく…すごく為になりました」
西崎さんの目を見つめて心から言った。
真っすぐでそれでいて芯が強くて、でもそのなかに大きく包み込んでくれるような温もりを湛えた西崎さんの瞳は、見つめているとどこか安心感を覚えてしまう。
あたしはもう…
このときには西崎さんの目をまっすぐ見つめられるほどに、西崎さんに対して特別な想いを抱いていたのかもしれない。
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