Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
落ちていた履歴書を手に取ってみる。
やっぱりコレ…あたしのじゃない。
証明写真に写っていたのは一見ホスト風の若い男のコ。
目つきは鋭い感じでちょっと怖そうに見えるけど、顔立ちは華やかな雰囲気でかなりの美形。
名前の欄には、福嶋隼人‐フクシマハヤト‐。
年齢の欄には、19歳。
と書き殴ったような汚い字で書いてあった。
19歳…って同学年だけど
名前を見てもまるきり面識のない男のコだ。
どうしてあたしの荷物に紛れてるんだろ??
疑問に思った瞬間だった。
ばっ…
手にしていた履歴書を勢いよく奪い取られ、あたしははっと顔を上げる。
見上げた人物と視線が絡むなり、背筋がぞくっと震えた。
凍てつくような鋭い瞳。
不機嫌もあらわな威圧的な眼差し。
醸し出す殺伐とした雰囲気。
――こ、殺され…る…?
本気でそう思ったときだった。
少しキレ気味の低い声が、突き刺すように頭上から降ってきた――。
「コレ俺のなんだけど」