Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
度肝を抜く金髪で、仮にもサービス業の面接を堂々と受けにくるその据わった根性。
若さゆえの反発か単なる非常識なのか、
いったい何を考えているのかと問うと、
その見るからに中身のなさそうな派手な出で立ちをした男は、俺にこう切り返してきた。
『採用不採用を決定するのは100%見た目ですか?』
正直虚を衝かれた。
自分のこれまでの採用の基準として見た目はただの一度も重視したことはなかった。
なのにどういうわけかこの男に対しては見た目を重視する発言をしてしまった。
それはたぶん、この男の出で立ちがあまりにも普通とかけ離れていて、且つ直球で、これまでに出会ったことのないタイプの人間だったからなのかもしれない。