Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
―――…
どのくらいそうしていただろう。
時間にして10分ぐらいかな?
あたしが泣き止むまで福嶋くんはずっとそばに付いていてくれた。
だいぶと雨が小降りになった。
ようやく立ち上がると何やらお尻が冷たい。
はっとして今までへたり込んでいた場所を振り返ると、軒下ではあるけど運悪く雨が降り込んでいる場所だった。
泥だらけになったスカートを見て、また泣きそうになった。
そのとき。
――バタンっ
駐車場で車のドアが閉まる音がしたと同時に、イライラ口調の女の子の声がした。
「ねぇ! ちょっと隼人! まだなの!?」
お店の入口に程近い場所に黒いミニバンが停まっている。
その黒いミニバンの助手席から降りてきたっぽい女の子がヒステリックに叫んだ。
「ねぇそのコ、何? 誰? 何やってんの!?」