Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[前編]完
「いろいろありがとうございました」
あたしは福嶋くんとマイさんにぺこりと頭を下げる。
「そうだ。コレあげる」
マイさんがバッグを探ってあたしにフルーツ味のキャンディを握らせた。
…なんかものすごく子供扱いされた感じだけど、せっかくなのでマイさんにお礼を言った。
「…兄貴、迎えに来るんなら店ん中で待ってたら?」
「うん」
あのあと侑兄に電話して、迎えに来てもらえることになったんだ。
あたしは福嶋くんの言うとおりにして店内で待つことにした。
また同じことが起こらないとは限らないから。
「じゃあ俺ら帰るから」
福嶋くんは片っぽの手をポケットに突っ込んで、履歴書を持った手をひらひらさせた。
あ…
やっぱり履歴書、突き返されたんだ…。
当然だよね、
あんな派手な身なりで、ましてやサービス業の面接なんて。
不採用になって当たり前。
だけど…
格好はあんなだけど、…結構いい人だったな。