マリッジブルーの恋人たち
 そんな二人が結婚するなんて報告したときは、会社が大荒れだった。

 秘書課や受付の綺麗なお姉さま方は、ドミノ倒しのように倒れ、男性陣は、ナンバーワンモテ男が人様のものになるため、自分にもチャンスが回ってきたと大喜びだった。

 二人は学科は違うが高校、大学が同じで就職先も同じ。

 高校卒業と同時に付き合いだしたため、高校での恋人らしい想い出はないし、真面目学生だったため、大学時代は恋人のイベントを一緒に過ごす程度だった。

 社会人になりお互いが、一人暮らしを始めてからは週末どちらかの家で過ごすことも多くなり、愛を育んだ。

 彼は表向き、何でもそつなくこなしそうだが、家事は一切出来ない。

 どうしたらこんなになるのかと思うほど、数日で部屋は汚くなるし、包丁を持たせたら数秒で指を切ってしまう。

 そして何より驚いたのは、派手なイケメンなくせに、付き合った当初は、純情で中々手を出せないチェリーボーイだった。
 
 お互いが初めての恋人、キスもエッチも初めてで、横道それることなく結婚まで至った。

 喧嘩やぶつかることもあったが、笑い会うことも多く、二人で何でも乗り越えてきた。

 お互いに、何でも分かりあってる、はずだ。
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