マリッジブルーの恋人たち

ｰ冗談でも言って欲しくなかったｰ　玲奈side

　そんな私たちを側で見ていた親友、新垣静華(あらがきしずか)と、結婚のお祝いをしてくれる居酒屋ダイニングに向かっていた。

「あんたたちも、やっと結婚か～！！」

「やっとって……。」

「だって、ずっと近くでみてた私は、その間に何人も彼氏変わってさ、結婚したんだし。」

　そう言う彼女は、私たちと同期入社で人事部に勤める新垣伊久斗(あらがきいくと)と結婚して２年になる。

「あんまり実感ないんだよね。」

「まぁ、苗字だけ変わって、相変わらずな関係かもね。」

　二人はお互いにを見ながら、クスクス笑いあった。

　彼女と一緒に歩くと、視線が彼女に向けられるのが分かる。

　秘書課の彼女は、真ん中分けのボブカットにちょっと冷たい目元のクールビューティー。

　自分が注目されることを知っているが、それを鼻にかけないさっぱりとした性格をし男女ともに人気で、自慢の親友である。

「式の準備はどお？」

「うん、ほぼ完了。ドレスを決めかねてるとこ。」

「また、あいつが口出してるんでしょ。」

「……まぁね。」

「見た目あんななのに……束縛しまくりだよね。」

　重いため息を吐く彼女の横で、ウェディングサロンでのやり取りを思い出していた。
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