マリッジブルーの恋人たち
　ここまで来て、やっぱりスッキリとした気分になれない私を見て、静華と玲二が資料届ける場所までついてきてくれることになり、部屋の前まで３人でやってきた。

　仲山さんの部屋を何度ノックしても、返事もなけれは人の気配もしない。

　３人で顔を見合わせ、隣の部屋に視線を移す。隣は七瀬比菜子の部屋だ。

　会社で調べたところ、本来なら昴と七瀬比菜子が隣同士の部屋だったみたいだが、急遽、仲山さんが行くことになり昴の部屋を取ったと聞いた。

　二人が隣同士じゃなくて良かったと、心の底から安堵してる自分が情けなかった。

「早く渡して、夕食行こうよ！」

　静華に言われ、ハッとし慌てて、七瀬比菜子の部屋をノックした。

　暫くし部屋の前で待つと、部屋が開いた。

　中から出てきた人物を見て、声が出ずに目を見開き固まってしまった。
　
　目の前には上半身裸にズボンと言う格好の、昴が立っていたからだ。驚いたのは自分だけじゃなく、相手もそうみたいだ。

「えっ！？玲奈……。」
「えっ？昴？」

　二人の声は重なった。

「なんでここにあんたがいるの？七瀬ちゃんの部屋でしょ、ここ？」

　私が固まって声の出ない代わりに、代弁したのは、静華だった。

　そしてここまで心配して着いてきてくれた、不機嫌な玲二の声が響いたのだ。

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