マリッジブルーの恋人たち

「うん、私昴のことよく分かってるつもりだよ。従順なのは昴が好きだから……でも、少し反発したくなっちゃった……。」

　この結婚していいのかなぁ？相手は私でいいのかなぁ？と思うのは、マリッジブルーだと周りのみんなに口を揃えて言われ、感情の起伏が激しいことや急に涙が出てしまうのはマタニティブルーだと病院で言われた。

　ここ何ヵ月か自分で自分がおかしいのは気がついていたから、そう言われ、納得してしまった。

　目の前に心配そうに自分を見下ろしている昴を見上げると、勢いよく立ち上がると、思いっきり抱きついた。

　びっくりしてよろめく昴だが、ギュッと抱き締めてくれた。

　そしてこの勢いにのせて、どうしても聞きたくて仕方がなかったことを聞いた。

「裸で抱き合ってたのは、本当なの？……七瀬比菜子と。後輩が話してたから。」

　そこまで話すと、昴が"あっ、誤解を解いてなかった"と項垂れながら、事実を話してくれたが、食堂での話を聞くと真っ青になり、昴から肩を揺らされながら、何度も何度も"浮気してない""裏切ってないから"と説明された。

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「はぁ～やっと玲奈が戻ってきた～。良かった。」

　昴の臭いがするベットに、抱きまくらされながらその台詞を聞き、笑みが零れた。

　何ヵ月かぶりに昴の部屋にいき、部屋はぐちゃぐちゃ、カップラーメンとお酒の空が溢れ帰っている荒んだ部屋を見て、誰も部屋にいれてないんだと嬉しく思ってしまい、文句を言いながらも部屋の片付けをし、その間に昴にはスーパーに夕食の買い物に言ってもらった。

　そのあと、二人で昴が好きな和食を食べ、絶対に妊婦には手を出さないからと、一緒にお風呂に入ったのだが、数ヵ月ぶりに触れあった昴には我慢出来なかったようで、優しく抱かれてしまった。

　体に負担をかけたらいけないと思いながらも、その行為が嬉しかったのは、昴にはの秘密だ。
　
　色々あったが、昴とぎくしゃくゃした時間を過ごしてしまったのは、少しでも、疑ってしまったことだ。

　結婚それは、相手を信じぬくことだと、改めて思った。