マリッジブルーの恋人たち
「俺、玲奈が初めての相手だから。緊張する。まだ、する前から、もう玲奈だけでいいんだって思ってるんだ。」

 そんなセリフを抱く前に言った。こんなカミングアウトされても困るだろうに、"一緒だね。"と、恥ずかしそうに言ったのを聞いて、再度キスした。

 服を脱がせる手が震え、胸の尋常じゃないくらいのドキドキする音が相手に聞こえないか、それが凄く気になった。

 服を脱がせたら脱がせたで、豊満な胸に滑らかな肌、透き通るような白さに目を奪われた。

「なぁ。もう入れていい?」

 抱き心地や胸の大きさ弾力、声、全てが想像以上の玲奈に対して、相手がどれたけ高まったか確認する余裕もなく、自分の高鳴りを沈めるのに必死になってしまい、呆気なく果ててしまった。
 
「最初の相手が、最後の相手って嬉しいよな。」

 玲奈しか知らないが、玲奈だけで本当に十分なのだ。

*******
 
 そう思いながら、静華の愚痴をぶつくさと呟き、玲奈の手をギュッと握りした。

 披露宴が終わる頃にはげっそりしており、玲奈はそんな俺を見て苦笑いをしていた。

 控え室に戻るとすぐに抱き寄せ、濃厚な口づけをすると、ばつが悪そうな俺と玲奈の目があった。

「ずっと玲奈を独り占めしたかったのに……。」

「私には昴だけだよ。何いってんだか。」

「俺だけの玲奈で、みんな好き勝手言ってたのにさ。実は綺麗でスタイルいいってバレた瞬間、あいつら手のひら返しやがって。」

 同期の男たちに対してジェラシーを見せると、玲奈の手が背中に回り、ポンポンとこどもをあやすように慰めてくる。

「昴……。愛してるよ。これからも、よろしくね。」

 玲奈の笑顔に俺は癒されていく。

 玲奈との出会いはかけがえのないもので、共に歩んで行くべきそんな大切な唯一無二の存在だと、改めて実感した。
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