あの夏の続きを、今
吹奏楽部へ
【2014年 4月中旬】
入学してから、1週間ほど経ったある日の午後。
私たち1年生は、全員体育館へと移動する。
今日の5、6時間目は、体育館でそれぞれの部活の先輩たちが、1年生に向けてPRをする。
そして、今日と明日の2日間、放課後に部活動見学ができる。
吹奏楽部以外には特に興味のある部活もないから、私は吹奏楽部の見学に行こうかな、と思っていた。
1年生が全員体育館に集まり、整列したところで、最初に生徒会長からの説明がある。
そして、それぞれの部活動のPRタイムが始まる。
まずは文化部がステージで短いパフォーマンスを披露するらしい。
最初にステージに出てきたのは、吹奏楽部。
トランペット、クラリネット、トロンボーン、チューバを持った4人の先輩がステージに立ち、アンサンブルを始める。
────すごい………!!
たった4人でも、こんなに綺麗で魅力的な音が出せるんだ……!!
私は心をときめかせながらそのアンサンブルを聴いた。
その中でも、特に私の心に響いてきたのが、明るく華やかな高音────トランペットだった。
4人の中でも群を抜いて上手く、魅力的なその音色に、私は心を奪われる。
なんて綺麗な音なんだろう。
なんて輝かしい音なんだろう。
あのトランペットの人の演奏、なんて素晴らしいんだろう────