あの夏の続きを、今


その日の帰り、自転車置き場でレナの姿を見つけたので、私はレナのもとへと走る。


「レナ~……今日、一緒に帰ろうよ~」

「いいけど………ハルトはどうするの?」

「そのことで話があるの…2人きりがいいな」

「もしかして何かあったの!?」


レナの言葉に、私は黙ってうなずく。


「分かった…話、聞くから、とりあえず校門出よう」


そして、自転車に乗って、私とレナは校門を出る。


「それで……ハルトがどうかしたの?」

「今朝、聞いたの……彼女ができたって」

「えぇ!?そうなの!?」

「うん、なんか、そういう噂が流れてたみたいで、リサから聞いて…」

「え、うそ、そんな噂流れてたの!?聞いたことない!!」

「そうか、レナでも知らないのかぁ……うぅっ、辛いよお……」


視界の横に広がる木の葉の緑が、涙で滲んでくる。
< 115 / 467 >

この作品をシェア

pagetop