あの夏の続きを、今
朝練が終わってから開会式が始まるまで少し時間があったので、クラスの出し物の最終準備を手伝う。
それから、生徒たちは体育館に移動した。
9時になり、開会式が始まると、オープニングムービーが流れ、校長先生の話があったりして、最後に生徒会長による開会宣言があった。
それから、みんなは体育館を出て、はしゃぎながら思い思いの場所へと向かう。
賑やかな人混みをかき分け、私は早速リサのところに駆け寄る。
「ねえ、リサ、最初にどこ行きたい~?」
「ん~、どこに行こっかなぁ」
そう言いながらリサは文化祭のパンフレットを広げる。
パンフレットには、今日のイベントや出し物の内容が書かれている。
文化祭では、全てのクラスがそれぞれの教室で出し物をする。
食べ物の屋台、ミニゲーム、お化け屋敷など、内容はクラスによって様々だ。
その他の教室では、文化部の展示などがあったりする。
さらに、「中庭ステージ」というイベントもある。
その名の通り中庭にステージが設けられ、有志によるバンド演奏、ダンスパフォーマンス、オリジナルの漫才など、様々な出し物が披露される。
ちなみにこの中庭ステージのトリを飾るのが、吹奏楽部の演奏だ。
リサがパンフレットの一箇所を指差しながら、「ここ、なんだか面白そう!行ってみたい!」と言う。
「どれどれ…」
リサが指差しているのは、1年A組の「魔界アドベンチャー ~さらわれた姫を助け出せ!~」というタイトルの出し物だった。