あの夏の続きを、今


最後までクリアしたら、お姫様からお礼として景品がもらえるという。


早速、お姫様の衣装を着た女子生徒のもとに行くと────


「あっ!レナ!」

「レナちゃんだ!」

「志帆にリサじゃん!来てくれてありがとう!」


なんと、お姫様役はレナだったのだ。


「レナ、お姫様の衣装めっちゃ似合ってるじゃん!可愛い~!」


私がそう言うと、レナは「まあね」と冗談っぽく笑ってみせた。


「それじゃ……コホン、……勇者志帆さま、理沙子さま、助けてくださりありがとうございます。ささやかではありますが、私からのお礼です」


そう言って、私とリサに景品のお菓子を手渡すサラは、まるで本物のお姫様みたいに見えた。


レナは小6の時を最後に好きな人はできていないそうだが、レナは見た目も可愛いし、誰とでもすぐ仲良くなれる明るい性格の持ち主だから、きっとすぐ「運命の王子様」が現れるだろうな、なんて思ったりもした。


私たちがお菓子を受け取ると、レナは「お姫様」の演技から普通のレナに戻り、「じゃあ、またね~!バイバイ~」と手を振って、A組の教室を出る私たちを見送ってくれた。
< 122 / 467 >

この作品をシェア

pagetop