あの夏の続きを、今
それから、私とリサは、様々な出し物を見て回った後、11時からのクラスの仕事のシフトがあるため、B組の教室へと戻った。
私たち1年B組の出し物のタイトルは、「猫たちの猫たちによる猫たちのための猫カフェ」。
内容は、飲み物とお菓子を出す普通のカフェなのだが、隅から隅まで至る所に猫のモチーフが取り入れられている。
本物の猫こそいないものの、教室の中の飾り付けは猫のイラストや切り絵だらけ。
お客さんに出すお菓子も、ただ普通にお菓子を出すのではなく、お菓子にチョコペンなんかで猫の顔やイラストを描いたりする。
そして、お菓子や飲み物を出すときに使う紙皿や紙コップにまで、ひとつひとつ、手描きで猫のイラストが描かれているのだ。
そして、この出し物の最大の特徴────
それは、カフェのスタッフも、そしてお客さんも、全員猫の格好をする、というところ。
ここにいる1年B組のカフェスタッフは全員、猫耳のカチューシャと、尻尾をつけている。
そして、ここに来てくださったお客さんにも、カフェにいる間は猫耳をつけてもらうのだ。
まさに、「猫たちの猫たちによる猫たちのための猫カフェ」である。
私とリサも、用意されていた猫耳と尻尾を付けて、仕事に取りかかる。
私は、外に並んでいる人の列を整理したり、お客さんに教室内に入ってもらう前に猫耳を渡す係になった。