あの夏の続きを、今


しばらく列の整理をしながら、前の方に並んでいる人に内容の説明をして、猫耳のカチューシャを渡す。


順調に仕事をこなしていると、列の中に、見慣れた顔を見つけた────


「あ!セイジ!!」

「また会うのかよ!!」


なんと、またセイジに会ってしまった。


「ってか、お前の猫耳姿ちょー面白すぎ!さすがチビだなー、よく似合ってる」

「チビって呼ばないのなら許すって言ったこと忘れたのーー!?」

「最初っから聞いてない」

「もういいよ」


それから、セイジにも内容を説明して、猫耳をつけてもらうと、あまりの違和感の無さにまた腹を抱えて笑ってしまった。



それからまたしばらく仕事を続けていくうちに、ふと、列の後ろのほうの3年生の男女混合の集団の中に、見覚えのある顔を見つけた。



────!!



眼鏡をかけていて、かっこいいとは言い難いけれど人好きのする顔立ちで、セイジとは対照的に背が高くて大人っぽい────



────松本先輩だ。



久しぶりに見る松本先輩の姿に、ドクン、と一瞬、胸が高鳴ったような気がしたけれど、気のせいかもしれない。
< 124 / 467 >

この作品をシェア

pagetop