あの夏の続きを、今
放課後になっても雨は止まない。
どうしようもない想いと悩みを荷物と一緒に抱えて、音楽室へ続く階段を上る。
カリンの席の隣の私の席に荷物を下ろし、楽器を準備する。
────そうだ。カリンに相談したら、何か良い策が見つかるかもしれない。
カリンなら、私と同じように松本先輩のことをよく知っているし、同じパートだし。
それに、カリンの兄である山内先輩は松本先輩と仲が良いから、カリンと山内先輩を挟んで松本先輩と繋がることもできるかもしれない。
もしかすると、カリンの協力によって開ける道があるかもしれない。
私は困ったときに誰かに頼ったり助けてもらったりするのは好きではない。だけど、恋愛に関しては、それは別なのだ。
小学生の時、恋愛のことに関してだけは、困った時には何でもすぐにレナに相談して、解決策を求めた。
私はいわゆるコミュ障だから、恋愛は人の手を借りないと、自分一人ではどうにもできないタイプなのだ。
私は早速カリンを呼ぶ。
「カリン、ちょっと来てくれる?…結構、シリアス?な話なんだけど」
「シリアス?」
カリンが私のもとに寄ってくる。