あの夏の続きを、今
「あ」
眼鏡をかけて、トランペットを持っているその男子の先輩と目が合った瞬間、思わず声が出てしまった。
「何?どうしたの?」と、私の周りにいた先輩たちがざわつく中、その先輩だけは何かを思い出そうとするような様子でじっと立っている。
「あの、もしかして…………この前の」
私がその先輩に向かって恐る恐るそう言うと、その先輩は何かを思い出したようにうなずいた。
「あっ……もしかして、入学式のときの迷子さん!?」
「はい…そうです!」
そう、その先輩は────
あの入学式の日に偶然出会い、助けてもらった、まさにあの「眼鏡の人」であり、今日の部活動PRでトランペットを吹いていた人でもあったのだ。