あの夏の続きを、今
私の足音に気付いたレナとリサが、こちらを振り返る。
「志帆!………聞いてたの………!?」
レナは驚いた顔で私のほうを見ている。
私はそのままレナの真正面までやってきた。
レナが私に何か言おうと口を開きかけたが、レナが言葉を発する前に、私の口から何か言葉が飛び出した。
「レナ!!!………全部、全部、私、聞いていたから。
………ほんとに、最低…………レナがこんな人だなんて、思わなかった!!!!」
頭で考える間もなく、激しい衝動だけに突き動かされて、普段の私なら考えつくことすらありえないであろう激しく辛辣な言葉が、空気を切り裂くように次から次へと飛び出していく。
最低だ。サイテイダ。その言葉だけがただ、怒りとともにぐるぐると私の中で渦巻いている。
「レナは、私を裏切ったんだね……この私を…………最低な、最低な…………最低な人間!!!!」
呆気にとられていたレナが、「志帆……ごめんね……あのね……」と、震える声で言いながら、私の手を取ろうとした。
………だが、私は考える間もなく、衝動に突き動かされるまま、その手を激しく跳ねのけていた。
「志帆……?」
何か言いたげなレナの方に向かって、さらに私の口から言葉が飛び出した。