あの夏の続きを、今
「謝っとけば許されるなんて思わないで!!
私を馬鹿にしてるの!?
一度失った信用を、そう簡単に取り戻せると思わないで!!!
裏切り者は………もう二度と、近づかなくていいんだからっ!!!!」
どんどんエスカレートするその衝動と、もはや怒りなのか何なのかも分からない激しい感情だけに動かされ、私は気がつくと、そんな鋭いナイフのような言葉をレナの心臓へ向かって投げかけていた。
理性などもはや完全に失われていた。
「裏切り者は、もう二度と…………絶対に、…………絶対に、…………親友なんかじゃ、ないんだからーーーーーーーっ!!!!!」
最後のとどめを刺すように、身体の底から力を振り絞るようにしてその言葉を投げつけた。
その言葉は、コンクリートの壁に反射して、辺り一帯に響き、私の耳にも飛び込んでくる。
そして、私はそのまま、衝動のままにレナに背を向けて、一気に走り出した。
「志帆!!志帆ーーーーー!!!」
後ろのほうから私を呼ぶ声がするけれど、私は一切振り返ることなく、走り続けた。
そのまま私は自転車に乗って、全速力で校門を出る。
「志帆!待って!志帆!!!」
リサが今にも泣き出しそうな顔でこちらを追いかけてくるのが一瞬だけ視界の横に見えたが、レナの姿はもうどこにも見えなかった。
私は振り返ることなく、どんどん学校から離れていく。
そのまま私は、ただひたすら一人で帰り道を進んでいった。