あの夏の続きを、今
迫る別れの時
【2015年 3月上旬】
────私の発した言葉のせいで、大切な親友、レナを失うことになってしまった。
その事実は、私の心にぽっかりと大きな穴を開けてしまった。
あれからレナとは一度も言葉を交わすことはなかった。
もう、今までのように、一緒に学校に行ったり、一緒に学校から帰ったりすることもなくなってしまった。
レナが今、私のことをどう思っているかは知らない。
ただ、廊下ですれ違ったりしたときに、レナは私が視界に入ると、怯えるような、苦しむような、そんな表情をする。
そして、私をその近くに寄せ付けまいとするような、そんな空気を放つ。
きっと、これから先も、レナが私を再び受け入れてくれることはないだろう。そう思う。
私とレナの間にできた深い深い溝は、もう一生元通りになることはないだろう。
レナの全身が、そう物語っているのだ。
きっとこれは、私のあの酷い言動への罰なのだ。
後先考えず、相手の気持ちも考えず、ただその時の衝動だけに任せてあんなことを言ってしまった私が悪いのだ────
そんな状態のまま冬休みが過ぎていき、3学期になった。
レナにあんなひどい言葉を放ったというのに、リサは私のことを嫌ったりはしなかった。
リサは私の全てを受け入れてくれた。
ハルトに続いてレナまでもを失い、絶望に打ちひしがれる私を、温かく包み込むように慰めてくれた。
────もう、失ったものは戻って来ないんだ。
────きっと、忘れなきゃいけないんだ。
そう思いながら、私は寂しい3学期を過ごしていた。