あの夏の続きを、今


その後、早速合奏が始まった。


と言っても、まずはチューニングからだが。


だが………チューニングの地点からさっそく、元強豪校顧問の本性が見え始めた。


「君たち、チューニングを何だと思ってる?チューニングは合わせるものだからね。合ってないのに合奏に出てるんじゃ、意味ないだろ?」


早速その言葉が私たちに刺さった。


さらに、基礎合奏でも、散々に言われまくった。


「チューナーは?使ってる?君たちはまだ中学生なんだから、君たちのレベルでチューナー使わずに耳で合わせるなんて無理だから」

「ピッチ!とにかくピッチを合わせろ!ピッチを合わせられないやつに楽器をする資格なんかないからな」

「ちゃんと指揮で合図してるんだから、同じタイミングで出れるはずだろ?なんでそんなにずれたタイミングで出れるんだ」


寺沢先生に次から次へと指摘され、私たちは今まで部活でやってきたことがいかにひどいものであったかを痛感した。


やはり、元強豪校顧問はかなりの厳しさだ。


あれこれ言われまくっているうちに、気づいたら基礎合奏だけでもう1時間ほど経っていた。
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