あの夏の続きを、今

初めての後輩





【2015年 4月上旬】





今日は始業式。


私たちは2年生になった。


久しぶりに朝早くから家を出て、満開の桜並木の下、穏やかな朝日に照らされた道を通って、学校に行く。


そして、昇降口に貼ってある、新しいクラス分けの表を見に行く。


既にそこには人だかりができていて、背の低い私は、つま先立ちになったりジャンプしたりしながら、自分の名前を探す。


そして、D組のところに、「広野 志帆」の文字、そしてその一つ上に「長谷川 理沙子」の文字を見つけた。


────やった!リサとまた同じクラスだ!


前のほうにいた背の高い人たちがいなくなってから、私は他のクラスのところも見てみる。


レナはB組。ハルトはC組。


────この2人が自分と同じクラスではないと分かった瞬間、思わず安堵のため息が出た。


数秒経ってから、こんなことに安堵してしまう自分への嫌悪感が生まれ始めてしまったけど。


カリンはC組。セイジはA組。


特に仲の良い人のクラスを確認してから、それぞれのクラスの担任の先生が誰かを確認する。


表の一番上に、担任の先生の名前が書いてある。


────『A組 担任 寺沢 弘樹』


………ん?………寺沢弘樹?


「…………………あっ!!!!!!」


思わず声が出てしまった。


「おはよう志帆、朝からそんな大声出して、どうしたの?」

「………あ………リサ!!いつの間に……」


気が付くと、いつの間にか私の隣にはリサが来ていた。


一人でこんな大きな声を出してしまったのを、聞かれてしまったなんて………恥ずかしい!
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