あの夏の続きを、今
それ以来、私の中では、パートリーダーになりたい、という思いが日に日に強まっていった。
一方、カリンはパートリーダーになることを嫌がっている。
心のどこかに、アカリ先輩が引退した後のパートリーダーはたぶん私になるんじゃないかな、という思いがあった。
アカリ先輩も私とカリンのそれぞれの性格は良くわかっているだろうから、パートリーダーをアカリ先輩が選ぶことになったら、先輩はわざわざ嫌がっているカリンを選んだりすることはないだろうな、と心のどこかで思っていた。
そして、1週間ほどが過ぎて────
いよいよ、1年生の入部する日になった。
一体何人の後輩が入ってくるんだろう。
一体どんな後輩が入ってくるんだろう。
放課後、私は期待を胸に抱いて、別棟の階段を駆け上がり、音楽室へと向かう。
音楽室では、部長さん達が慌ただしく新入部員用の椅子を用意していた。
私も荷物を下ろし、部長さんたちのもとに向かう。
「先輩、私手伝います!椅子はあと何脚いりますか?」
「えーと、全部で21人だから………」
そう言って部長さんは椅子の数を数え始める。
「えっ、21人!?そんなにたくさんいるんですか!?」
「そうなの、そんなにたくさんいるんだよー」
「すごいですね!さすが先輩です!」
「いやいやー、私一人じゃないよ、寺沢先生と部員たちみんなのおかげだよ〜」
今、2年生と3年生の部員数は合わせて23人だから、1学年で21人というのは相当すごい数だ。
「じゃ、広野さん、隣の多目的教室から3脚持ってきてくれる?」
「わかりました」
多目的教室に行くため、廊下に出ると、既に何人かの1年生の姿も見え始めた。
階段のほうには、ユイちゃんやエリカちゃんらしき人の姿も見える。