あの夏の続きを、今



そして、約1ヶ月が経ち────


6月の、東神高校吹奏楽部の定演の日がやって来た。


家でゆっくり昼ご飯を食べた後、私は一番のお気に入りのブラウスとシフォンのスカートで、地元の駅に向かう。


既に私の胸はドキドキと高鳴り始めていた。


結局、今日は、リサと一緒に定演を見に行くことになった。


私はシオリ先輩から2枚のチケットを買ったが、そのうち1枚はリサの分だ。


外は快晴で、どこまでも澄み渡る青空が広がって、明るい太陽が照りつけている。


いかにも、夏の始まりって感じだ。


いつもなら自転車で下りる道も、今日はのんびり歩いて行く。


青々と茂る桜並木の葉の木漏れ日の下をくぐり抜け、リサと待ち合わせしている駅前広場に着いた。


先に着いていたリサが私を見つけ、「あ、志帆!見つけた〜!」と手を振る。


「リサ〜!行こっ!」


私たちは駅のホームに入る。


腕時計をちらっと見ると、開演の時間まであと50分ほど。


もうすぐだ、もうすぐ、松本先輩の姿を見ることができる────


私の胸の高鳴りは一層激しくなっていく。
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