あの夏の続きを、今
心臓は激しくバクバクと鳴っている。
もう、息をすることも忘れてしまいそうだ。
松本先輩だ。確かに、松本先輩だ………!
もう一度、その姿を見ることができるなんて、夢みたい……
でも、夢じゃない。これは確かに現実なんだ────!!!!
ステージの前方に一列に並んだ1年生たちは、2、3年生の演奏に合わせ、歌を歌い始める。
私はずっと、松本先輩の方だけを見つめていた。
3ヶ月ぶりに見るその姿。
高校の制服を着ていることと、トランペットではなくユーフォを持っていること以外は、全部、あの頃の松本先輩と変わっていない。
トレードマークの眼鏡も変わっていない。
背が高いということも変わっていない。
ステージの端から端までずらりと並んだ1年生は、そのほとんどが女子で、その中で松本先輩の背の高さは一際目立っている。
私は歌が終わるまでずっと、松本先輩に見とれていた。
胸のドキドキが鳴り止まない。
やっぱり私は、松本先輩のことが好きだ────そう改めて実感した。