あの夏の続きを、今


私は部活の時はもちろん、そうでない時も、いつも松本先輩のことを想っている。


松本先輩は、今頃どうしているだろうか。


どこに行けば、松本先輩に会えるだろうか。


そんなことばかり考えてしまう。


会いたいと思っても会うことは出来なくて、でも、本当にたまにだけ、会おうと思えば会えるかもしれない────そんな絶妙な距離感のせいで、昼も夜も、私は先輩のことを想わずにはいられなかった。


何をするにつけても、松本先輩の声や、あの優しい笑顔が思い浮かんできてしまう。


特に、松本先輩のあの優しい笑顔は────思い出すだけで、心の奥が熱くなるような感じがする。


あの笑顔をもう一度見たい────そう思うだけで、どんな厳しい練習でも頑張れるような気がする。


松本先輩に会いたい。


会いたくてたまらない。


どんなに私が松本先輩を想っていても、松本先輩は私の気持ちなんて全く知らない────それが、私の心を苦しめる。


松本先輩は、私のことをどう思っているのだろうか。


私だけが、こんなにも強く先輩を思っているなんて、私の心はあまりにも重く、苦しい。


いつか、必ずこの想いを伝えたい。


松本先輩に、この想いを届けたい。


松本先輩の、特別な存在になりたい。


そんな気持ちに押し潰されそうになりながら、毎日が過ぎていく。
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