あの夏の続きを、今
────きっと、1stだよね………?
私はそう思いながら、配られた2枚の楽譜を眺める。
────えっ………?
私は自分の目を疑った。
何度も瞬きしたり目を擦ったりしてから、もう一度その2枚の楽譜を見てみる。
左上に書かれている文字は、何度見ても変わらない────
うそ……でしょ………
全身から、一気に力が抜けていく。
「Tp.2」
「B♭ Trumpet 2」
指先に力が入らなくなって、私の手からするりと楽譜が抜け落ち、ひらひらと地面に落ちていった。
何が何だか分からないまま、私は楽譜を拾う気にもなれず、ただ呆然と立ち尽くしていた。
隣にいたユイちゃんが、落ちた楽譜を拾って、「志帆先輩」と言いながら私の所に持ってきてから、初めて我に返った。
反対側の隣では、カリンが、「また1stーー!?カリン、こんなの無理だよーー!」と一人で言っている。
どうして?
……どうして?
どうして、私には1stをやらせてくれないの?
どうして、カリンにばっかり1stをさせるの?
私の心の中にあった複雑な感情。それは、一気に不信感へと姿を変えた。