あの夏の続きを、今


「演奏順に発表します」


その声の後、出演順1番の学校から順番に結果が発表されていく。


「最優秀賞」という声がホールに響くと、その度にどこかの学校の生徒たちの歓声が聞こえる。


私たちは6番。もうすぐだ。


4番辺りになったところで、私は去年と同じ体勢で、目をぎゅっとつぶって、祈るように結果を待つ。


5番の学校は優秀賞だった。────物音一つ響かない。静けさの中、私は次の台詞を待つ。


「6番、O市立J中学校」


私は目を閉じたまま、次に「最優秀賞」の「さ」の字が来るのを、息を呑んで待った。


どうか、どうか、お願いします────









「────最優秀賞!」









────────!!!!!





私ははっと顔を上げた。次の瞬間、私のすぐ側で、わあっ、と歓声が上がる。


「キャーーーーーーーーっ!!!」
「うわーーーーーーーっ!!」
「わぁーーーーーーーーっ!!」
「やったあああああーーーーーー!!!」


部員たちが次々に立ち上がり、飛んだり跳ねたり抱き合ったりしながら大喜びしている。


私もそれにつられて、飛んで跳ねて喜び、騒ぎあった。


最優秀賞だ!最優秀賞だ!!!


信じられない!夢みたい!!!


私は────叶えることができたんだ!


松本先輩から受け継いだ夢を………!!


確かに今、私たちは、「最優秀賞」を手にすることができたんだ……!!


やがて、興奮が収まると、私たちは再び席につき、最後まで結果発表を聞いた。


その間も、ずっと私の胸は躍っていた。


良かった……本当に良かった!!!!


いつか、松本先輩にも報告しないと!


私が、先輩のために頑張ったこの証を、伝えないと!


結果発表が終わると、私はかつてない満足感に包まれながら、これからの未来に思いを馳せて、ゆっくりとホールを後にした。
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