あの夏の続きを、今
うちに頼ろうとせず、何でも頑張る志帆ちゃんは、先輩の存在なんて必要としていないかもしれない。
そこにうちが入ってきたって、ただのお節介になってしまうかもしれない。そんな不安を、どうしても拭いきれなかった。
だから、うちは、カリンちゃんの方へと逃げ続けていたんです。
うちは本当に小心者でした。しかも、カリンちゃんと接して、「先輩」として認められている、という実感を味わうことでしか、不安を紛らわすことはできませんでした。
私はいつからか、このことが原因で志帆ちゃんには嫌われているな、と薄々気づき始めていました。
仕方ないんです。原因を作ってしまったのは、カリンちゃんとばかり一緒にいた自分だから。
でも、志帆ちゃんに嫌われているんじゃないか、という不安も、カリンちゃんといることでしか紛らわせなかった……
悪循環を生み出していると気づいた時には、もう遅かった。
もう、うちは、志帆ちゃんに近づくことはもはや出来なくなってしまった……
志帆ちゃんは何も悪くない。悪いのは全部、うち自身です。
うちが原因で、志帆ちゃんとうちはこんなにも遠ざかってしまった。
だから、志帆ちゃんがパートリーダーをやりたいと思っていることにも気づけず、うちの勝手な判断と先入観だけでカリンちゃんをパートリーダーにしてしまった…
だから、うちが全部悪いんです。
本当にごめんなさい。
本当に本当に、ごめんなさい。
……これが、うちのありのままの思いです。
こんな情けない先輩で、本当にごめんなさい。