あの夏の続きを、今

志帆ちゃんには今まで、先輩らしいことは何一つできなかった。


うちは、それを今すごく、悔やんでいます。


だから、余計なお世話かもしれないけど、最後にこれだけ、言わせてください。志帆ちゃんの「先輩」としてできる、最後のこととして…



志帆ちゃんは、低い音の方が得意だと思うの。


志帆ちゃんはいつも、高い音を出そうと必死に練習してたよね。


だけど、志帆ちゃんの音の魅力は、低音域にこそあると思うんだ。


高い音のメロディーを引き立てるためには、低い音のハーモニーも同じくらい重要なの。


だから、志帆ちゃんは、低い音をどんどん伸ばしていってね。


才能もあって誰よりも努力家な志帆ちゃんなら、きっと誰にも負けないぐらい上手くなれるはずだから!


それから、パートでは、カリンちゃんや後輩たちが困っていたら、助けてあげてね。


そして、自分が困っていたら、誰かに相談したほうがいいよ!


これからトランペットパートを支えていくためには、カリンちゃんと志帆ちゃん、どちらの力も必要だって思ってます。


だから、これからもずっと、志帆ちゃんも、カリンちゃんも、後輩たちも、みんなで頑張っていって欲しいと思ってます。


うちは、ずっとずっと、トランペットパートを、そして吹奏楽部を応援しています。


だから、これからも頑張ってね!



前田 朱里


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