あの夏の続きを、今
第4章 〜決断〜
終わりの始まり
【2016年 4月上旬】
気がつくと私は、誰もいない長い長い廊下のような場所を歩いていた。
一体どうなっているのだろう。歩いても歩いても、この廊下は無限に続いていて、いつまでも出られない。
どうなってるの……?
誰か、助けて………
そう思いながらただ歩き続けていると、どこからか声が聞こえてくる。
────裏切り者は………もう二度と、近づかなくていいんだからっ!!!!
……私の声だ。私は何も喋っていないのに、どこからこの声が聞こえてくるんだろう。
────裏切り者は、もう二度と…………絶対に、…………絶対に、…………親友なんかじゃ、ないんだからーーーーーーーっ!!!!!
それは遥か遠くから聞こえてくるような気もするし、私の耳元で聞こえてくるような気もする。
「分かってる…分かってるよ………あの言葉でレナを深く傷つけたのは、よく分かってるんだから……
だから、誰だか知らないけど、これ以上私を苦しめないでよ……ほっといてよ……
もう、私が悪いのは、分かりきってるんだから……
だから、もうレナとも関わらないから……
お願い、静かにして……」
私はそう呟きながら、無限に続く廊下をひたすら走っていく。
声のする方から、少しでも離れたくて。
だが、走っていけばいくほど、その声は私の方に迫ってくる。