あの夏の続きを、今
私はゆっくりと自転車を押しながら、坂道を上っていく。
その時だった。
「志帆ーーっ、お前のナイスショットが撮れたぜ〜」
聞き慣れた男子の声。
振り返ると、後ろから自転車に乗ったセイジが猛スピードで私の方へとやって来ていた。
「何よー、ナイスショットってー」
「いやー、とんでもない物を見ちまったぜ」
「は?」
セイジは自転車から降りて私の隣に並ぶと、ポケットからスマホを取り出す。
その画面には────
「あーーーっ!!ちょっと!!何やってるの!!消しなさい!今すぐ消しなさい!!なんでこんなことするのーー!!」
そこに写っていたのは、街灯に照らされて浮かび上がった、私と松本先輩の並んだ後ろ姿の写真だった。