あの夏の続きを、今

「じゃあ…クラスは?何組?」


声を潜めて言うミホに、私も声を潜めて答える。


「分からない」

「えー!?何それー」

「分からないものは分からないんだもん。ただ、一昨年はD組だった。それだけは言える」

「えー!?うち、1年の時はA組だったから、元1Dに誰がいたかなんて、よく覚えてないよー。

って、志帆の好きな人って、福原くんじゃないんだね!可能性としては福原くんが一番だと思ってたのに。福原くんは一昨年はA組だったからなぁー」

「なんでそこでセイジが出てくるのよ」

「だって、志帆と福原くん、仲いいじゃん!」

「いや、確かに、一応幼なじみだから、他の男子よりは仲いいけどさ……セイジに恋なんて、ぜっったいにありえないから!何があっても!」

「えー……福原くんじゃないんだったら、誰なのー?全然分かんないよー!元1D、元1D…」


的外れなことを言いながら考え込む仕草をするミホを横目に、思わずにやけてしまう。
< 337 / 467 >

この作品をシェア

pagetop