あの夏の続きを、今
「じゃあ…クラスは?何組?」
声を潜めて言うミホに、私も声を潜めて答える。
「分からない」
「えー!?何それー」
「分からないものは分からないんだもん。ただ、一昨年はD組だった。それだけは言える」
「えー!?うち、1年の時はA組だったから、元1Dに誰がいたかなんて、よく覚えてないよー。
って、志帆の好きな人って、福原くんじゃないんだね!可能性としては福原くんが一番だと思ってたのに。福原くんは一昨年はA組だったからなぁー」
「なんでそこでセイジが出てくるのよ」
「だって、志帆と福原くん、仲いいじゃん!」
「いや、確かに、一応幼なじみだから、他の男子よりは仲いいけどさ……セイジに恋なんて、ぜっったいにありえないから!何があっても!」
「えー……福原くんじゃないんだったら、誰なのー?全然分かんないよー!元1D、元1D…」
的外れなことを言いながら考え込む仕草をするミホを横目に、思わずにやけてしまう。