あの夏の続きを、今
私はほっと胸を撫で下ろした。
あの時のカリンのような反応をハヅキが見せなかったことに、私は安心感を覚えていた。
何かを言えずに隠しておく、というのはとても辛いことだ。
ハヅキに打ち明けることができて、なんだかほっとした。
こんなにも長いこと片思いをしていると、どうしても恋の悩みとか、あるいは先輩に会えた時の嬉しさとか、色々なことを人に言いたくなったり、相談したくなったりするものだ。
けれど、吹奏楽部員、特にカリンにバレたくなかったから、リサ以外の人には言えずにいた。
だけど今回、ミホやハヅキにもそれを言えるようになって、心が少し軽くなった気がする。
特に、吹奏楽部員であるハヅキに言えるようになったというのは大きい。
吹奏楽部員同士の恋なんだから、やっぱり同じ吹奏楽部員が応援してくれるというのは凄く嬉しい。
私はハヅキに言う。
「ハヅキ、これから色々と、相談とかするかもしれない。吹奏楽部員にしか分からないような事とか。……いいかな?」
「もちろんだよ!志帆のためなら、いつでも相談乗るよっ」
そう言ってハヅキは、右手でガッツポーズをした。
「ありがとう…本当にありがとう、ハヅキ!」
「うん!志帆の恋バナ、楽しみにしてるよ!」