あの夏の続きを、今


「ていうか、志帆、先輩のことが好きなんだったらこんな男の誘いにホイホイ乗っちゃだめじゃーん!」


部員の一人に突然そう言われて、思わず固まってしまう。


「た、確かに、そうかもしれないけど……でも、断るって発想は、なかったなぁ……」


「じゃあさ、志帆もうちらと一緒に夏祭り行ってさ、福原くんとうちらと志帆ちゃん、みんなでいようよ!」

「なるほど、それは良いアイデア!」

「志帆を狙う悪い男から守ってあげなきゃ。志帆はこーんなに可愛いんだからぁー」

「ちょ、ちょっとハヅキ、急に抱きつかないで、暑いっ」


べったりとくっついて来たハヅキの手をそっと外しながら、「何もセイジをそんなに悪者扱いしなくても…」と呟いたが、キャーキャー盛り上がっている皆には聞こえていないようだ。
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