あの夏の続きを、今


「で、で、そのお相手はっ!!??」


カリンがその瞳をいっそう輝かせながら、私に迫ってくる。


「A組の、瀬川ハルトって人」

「おぉーーーっ!!………って、カリンその人知らないや」

「そりゃそうだよ、出身校もクラスも違うのに」

「で、どんな人なのーーー?」


カリンはまたしても純粋な瞳を輝かせて、幼く可愛らしい顔を私のほうに近づけながら聞いてくる。


「んーとね、スポーツ万能で、クールで、無口なように見えて実は優しくってー」

「志帆が好きになりそうなタイプだねー!ところで、その人と話したりはするの?」

「私、元々ハルトと小学校の頃から仲良いんだよね。今A組のレナって女の子と、ハルトと、私の3人でよく遊んでたの。今でも一緒に帰ったりするよ」

「そうなんだ!で、いつから好きなの!?」

「え、えーっと……」



その後もしばらくカリンの質問攻めは続いた。


最初は乗り気じゃなかった私も、気づけばカリンのテンションに乗っかって、次々と色んなことを口に出していた。


カリンには不思議な力があると思う。


人を惹き付け、人の素直な気持ちを引き出す不思議な力が。


カリンの周りにはいつも人が集まってくる。


カリンと話すと、皆、自然と笑顔になれる。


人と話すのが少し苦手な私にとっては羨ましい。
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